Sata Foundation 2014年度 年次報告 I.寄付
2014年度、Sata Foundationは、以下の寄付を実施しました。 (1) シェチェン診療所(ネパール カトマンズ・ボダナート)(http://www.karuna-shechen.org) この寄付は、2000年のシェチェン診療所設立以来、継続して実施しています。
シェチェン診療所は、ネパールの首都カトマンズ郊外の人口密集地に所在しています。診療所は、患者の宗教、民族、政治的背景にかかわらず、難民やインド、ネパール、チベットの山岳民族を含む一大コミュニティに対し、質の高い医療を提供しています。医療サービスは、コストスライド制で、特に経済的に困窮している患者には、すべての医療行為および医薬品が無償で提供され、診療所を受信する患者は、月に3,500人を超えています。診療所には、内科、薬局、分析ラボ、結核(D.O.T.)クリニック、整形外科、産科、HIV感染者・AIDS患者とその家族のためのカウンセリング、ホメオパシー、チベット伝統医療、チベット伝統薬調合所、鍼療法、歯科、歯科ラボの各科・設備があります。 (2) バンヤンホームファウンデーション タイ北部のチェンマイでHIVに感染/AIDSを発症した子どもたちのためのバーン・ロム・サイ子どもの家(Ban Rom Sai Children’s Home)を運営するバンヤンホームファウンデーション(BHF)は、日本人の名取美和さんによって設立されました。 (3) 視覚障害者のためのマタ・ラチュミー園 Sata Foundationは、インド・ムンバイのシオンにある視覚障害のある子供たちのための学校、マタ・ラチュミー園に寄付を行いました。園は2歳児からのごく幼い子供たちを受け入れ、10歳になるまで養育・教育を行います。18名の子供たちの中には、複数の障害を抱える子供たちも含まれます。園から出た子供たちは、視覚障がいのある子どもたちのための学校に進学します。園の運営は、全面的に善意の寄付に頼っており、資金は子どもたちの教育だけでなく、質の高い教師を確保し、遠足やピクニックなど、レクリエーションの機会を含むさまざまな経験によって、子どもたちの生活を豊かにするために支出されています。園の運営費は、総計で年間31,050米ドルです。 (4) クランティ インド・ムンバイの歓楽街に暮らす少女たちを支援するチャリティ組織、クランティに対し、寄付を行いました。クランティは、少女たちが親と同じ売春に走らないよう、教育や訓練を行っています。Sata Foundationからの寄付は、クランティのこの分野の活動資金となり、少女たちの心身の健康を守ることに役立てられ、これは財団の設立理念に適う事業です。 (5) アジアにおける国際法整備(DILA)財団 Sata Foundationは、アジアにおける国際法整備を継続的に推進するため、アジアの若い国際法研究者による特にすぐれた国際法に関する論文に対し、2005年から毎年、佐多賞(2000米ドル相当)を授与しています。受賞論文はアジアにおける国際法整備(DILA)財団の後援により、Asian Yearbook of International Law (「アジア国際法年鑑」)に掲載されます。Asian Yearbookは、世界平和と国際的法秩序の基礎である国際法に関するアジアの視点を世界に発信するものです。佐多賞は、このように、Sata Foundationの設立理念に謳われている「あらゆる文化、宗教、信条をもつ人々の間における平和の価値と普遍的人権の尊重に対する理解」を促進する一助となっています。 (6) 認定特定公益信託 NPO日本白血病研究基金 Sata Foundationは、認定特定公益信託 日本白血病研究基金に対し寄付を行いました。(所在地:日本白血病研究基金 〒105-0001東京都港区虎ノ門2-7-14、電話03-3593-3341、Eメール: leukaemia@flrf.gr.jp、ホームページ: http://flrf.gr.jp/ (日本語のみ)) II. 東日本大震災被災者に対するSATA Foundationの活動
2011年3月11日、日本の東北地方を襲ったマグニチュード8.9の地震と、それに続いた津波によって15000人以上が犠牲となり、およそ2500人以上の方達が行方不明となっています。今も、何百万人もの人々の生活が、福島第一原子力発電所から漏れる放射能に脅かされています。これは近代に入って、日本が直面した最悪の自然災害です。Sata Foundationは東北地方の被災地に支援を行い、被災者が新たな困難に立ち向かう援助を行ってきました。
Sata Foundation理事長である佐多保彦は、Foundationのボランティアとともに自ら定期的に被災地を訪れ、被災者が緊急に必要としている援助を行うとともに、自立、自尊の前向きな精神をもって、それぞれの地域で再び就労できるように、相談や支援に応じています。 III. 長崎のマリア像と世界平和
2005年8月の長崎原爆投下60周年に長崎のマリア像が浦上天主堂に返還され、Sata Foundationのマリア像に関わる目的は、ほぼ達成されました。Sata Foundation は、引き続き長崎のマリア像を象徴とする世界平和キャンペーンを実施していきます。 2005年8月6日、Sata Foundationは、広島(1945年8月6日)・長崎(同8月9日)の原爆投下60周年を記念し、Foundationの人道的使命を推進することを目的として、フランスにおいて「平和祈念自転車競走」及び関連事業を主催しました。第1回の大きな成功を受けて、平和祈念自転車競走はその後、毎年開催されています。 Kriangsak Kittichaisaree教授 |