Sata Foundation 2017年度 年次報告 I.寄付
2017年度、Sata Foundationは以下の寄付を実施しました。 (1)アジアにおける国際法整備(DILA)財団 Sata Foundationは、40歳以下のアジアの国際法研究者による国際法に関するもっとも優れた論文に対し、毎年2,000米ドル相当の賞を授与することにより、アジアにおける国際法の促進を続けています。受賞論文は、アジアにおける国際法整備(DILA)財団の後援によりAsian Yearbook of International Law (国際法年鑑)に掲載されます。同Asian Yearbookは、世界平和と国際秩序を支える国際法に関するアジアの視点について世界に発信するものです。2011年まで 「Sata 賞」 と呼ばれ、その後 「DILA賞」 と呼ばれたこの賞は、Sata Foundationの設立理念の一部である 「普遍的に認められた人権尊重のためのあらゆる文化、宗教、信条を持つ人々の間における平和の価値と普遍的人権の尊重に対する理解」 を促進する一助となっています。 Asian Yearbook of International Law の発行の遅れにより、DILA賞の受賞者が公表された年は、実際に賞受賞者に対して支払われる年とは一致していません。2017年のSata Foundationからの寄付は、2013年のDILA賞と2014年のDILA賞に充当されました。 2013年のDILA賞は、現在ミシガン大学客員教授であるフィリピン出身のトム・テンプロサ教授による「法の合流に関する考察: 1940年から2000年までのフィリピン裁判所における国際法」に授与されました。2014年のDILA賞の受賞者は、シンガポール大学のマシュー・セット氏で対象論文は「中国における2年間の執行猶予付き死刑判決: 人道的救済措置か、或いは残酷・非人道的な恥ずべき処置か」です。 (2) バンヤンホームファウンデーション HIV/AIDSに感染した子供たちのためのBan Rom Sai Children’s Homeを運営するBanyan Home Foundation (BHF)は、日本の名取美和さんによって設立されました。 2017年、Sata Foundationは、2007年から継続しているBan Rom Saiへの寄付を実施しました。 2017年の寄付は以下のプロジェクト支援のために行われました。(a)子供たちに読書の楽しみを教えるプロジェクト(参加者50名/月) これまでのSata Foundationの寄付のおかげで、バーンロムサイの子どもたちは暮らしている地域社会に順調に受け入れられ、同化することに成功しました。例えば、無償で高校や職業訓練校で学べる特別割当枠に数名が認められました。かってバーンロムサイに住んでいた数名の子どもたちは現在フルタイムで働いており、一方タイ北部のチェンマイ州やチェンライ州周辺の大学で学んでいる子どもたちもいます。 (3) 報告 これまでにSata Foundationから寄付を受けたその他の慈善団体は、自力での国際的な資金調達に成功しており、もはやSata Foundationのようなささやかな慈善団体からの寄付には依存していません。そのため、Sata Foundationは2017年にこれらの慈善団体には寄付を行いませんでした。 Sata Foundationは、Sata Foundationの設立理念に適う価値のある慈善事業に寄付することを常に期待していますが、2017年にはこの目的に該当する事業はありませんでした。 II. 長崎のマリア像と世界平和
2005年8月の長崎原爆投下60周年を記念して長崎のマリア像を浦上教会に返還した後、長崎のマリア像に関するSata Foundationの目的の大部分は達成されました。Sata Foundationは、長崎のマリア像を主な啓示として世界平和のためのキャンペーンを続けます。 2017年、平和祈念自転車競走はフランスのシャイイ‐スル‐アルマンソン(www.courirpourlapaix.com)で468人のサイクリストがヒロシマ(145km)、ナガサキ(105km)、トウホク(81km)、ランド(40km)の4つのサーキットに参加し、7月29日に開催されました。 https://www.youtube.com/watch?feature=youtu.be&v=AXcY6b3bh5c を参照してください。 このイベントは、Sata Foundationの使命を遂行するために使われる資金を調達しました。 2018年の平和祈念自転車競走は 2018年7月28日に開催され、Sata Foundationの後援により、チャリティーディナーが催されました。平和のシンボルとして、出席者は白い衣服を身にまとうことを要望されました。往年の名選手であるベルナール・イノー氏とフランチェスコ・モゼール氏がゲストとして歓迎されましたが、彼らは長年、非常に誠意をもってチャリティーレースに参加をしてきています。今年の主要なメッセージは、トルコやレバノンといった、他よりもシリア難民の受入れが人口比で見て極めて集中している国々の協力関係を伝えることでした。トルコからはムニール・イスカー氏、レバノンからはマロウン・トーベイ氏が出席し、それぞれの国の差し迫った現状についてプレゼンテーションがなされ、ゲストの皆様に非常に関心を持って受け止められました。
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