Sata Foundation 2019年度年次報告 I. 他の財団への支援
2019年度、Sata Foundationは以下の寄付を実施しました。 (1)アジアにおける国際法整備(DILA)財団 Sata Foundationは40歳未満のアジアの国際法学者による、8,000から14,000語で書かれた国際法に関する最も優れた論文に対し、毎年2,000米ドル相当の賞を授与することによって、アジアにおける国際法の促進を続けています。受賞論文は、アジアにおける国際法整備(DILA)財団の後援により『Asian Yearbook of International Law(アジア国際法年鑑)』に掲載されます。[注1] この『Asian Yearbook』は世界平和と国際法秩序を支える国際法に関するアジアの視点について世界に発信するものです。この賞は2011年まで「Sata賞」と呼ばれ、その後佐多氏の提唱により「DILA賞」に改められました。そしてSata Foundationの設立理念の一部である「あらゆる文化、宗教、信条を持つ人々の間における平和の価値と普遍的人権の尊重に対する理解」を促進する一助となっています。 上記のバーンロムサイのプロジェクトは、経済的な理由からバーンロムサイがほかの財源から寄付を受けることが困難だった時には、SATA foudationからの寄付に100パーセント頼っていました。 ここ数年にわたるSATA Foundationの寄付を通じて、バーンロムサイの子どもたちは、暮らしている地域社会に順調に受け入れられ、同化することに成功しました。例えば、何人かの子どもたちは、無償で高校や職業訓練校で学べる特別割当枠に選ばれました。かつてバーンロムサイで暮らしていた子どもたちの中には、現在フルタイムで働いていたり、タイ北部のチェンマイ州やチェンライ州周辺の大学で学んでいたりする子もいます。 (2) バンヤンホームファウンデーション HIV/AIDSに感染した孤児のためのバーンロムサイ養護施設(Ban Rom Sai Children’s Home)を運営するバンヤンホームファウンデーション(BHF)は1999年に日本の名取美和氏によって設立され、子供たちが18歳で施設を去ることを求められるまで30人の子供たちに住まいを提供しています。[注2]
これらの年度中のSata Foundationの寄付のおかげで、バーンロムサイの子供たちは暮らしている社会に受け入れられ、うまく溶け込みました。例えば、何人かの参加者は無償で高校や専門学校で学ぶための特別枠を与えられました。バーンロムサイで暮らしていた子供たちの中には、現在フルタイムで働いている子供や、タイ北部のチェンマイ県やチェンラーイ県周辺の大学で学んでいる子供もいます。バーンロムサイの言葉を借りれば、 「バーンロムサイ設立後最初の数年間、私たちは地元村民に拒絶され、施設の子供たちが地元の小学校に行くのを妨げられました。村民は地元の子供たちがバーンロムサイに近づくことも禁じました。しかしバーンロムサイ での講義や一般公開日を通じて、HIV/AIDSに関して教育を行い、地元民の理解を深める努力により、私たちは村民の支援や信頼を得ました。現在では、バーンロムサイに足を踏み入れるのをためらっていた地元の子供たちがバーンロムサイの子供たちを訪問して一緒に勉強し遊び、昼食さえも一緒にしています。これはバーンロムサイにとっての大きな前進となりました。」 これらの年度中にSata Foundationが資金援助した本、学習教材、及びスポーツ用品は、2019年からバーンロムサイがSata Foundationからの追加の寄付なしに今後数年間これらの「一般公開日」活動を続けるために使用するのに十分な資源を提供しています。さらに、この地域コミュニティは現在、バーンロムサイが企画し、Sata Foundationが資金援助するスポーツ競技会の勝者への賞金などの報奨金がなくても、進んでその活動に参加し、支援するようになりました。 (3)その他 これまで、Sata Foundationは2000年の設立以来ネパールのカトマンズ、バウダナトのシェンチェン診療所(http://karuna-shechen.org/category/health/)などの慈善事業への年間の寄付を行い、インド、ネパール及びチベットの山岳地域からの難民やその他の人々を含むネパールの大コミュニティに対し、宗教、民族、政治的信条を問わず、低価格又は無料で質の高い医療を提供してきました。しかし、喜ばしいことに、この診療所は現在独自に国際的な資金調達に成功しています。 II. 長崎のマリア像と世界平和
これはSata Foundationが2019年に相当額の寄付を行った分野です。 (1)2019年平和祈念レース 2005年以来、Sata Foundationはフランスの「平和祈念」自転車レースを後援し、広島及び長崎の原爆投下日(それぞれ1945年8月6日及び9日)を追悼し、核兵器の使用に起因する人的被害のみならず、科学的知識が破壊の武器としてではなく人の健康や福祉に用いられることを確保する必要性についての社会の認識を促してきました。 (2)スロバキアのブラチスラバにあるスロバキア国立劇場との協力 2019年6月、スロバキアのブラチスロバにあるスロバキア国立劇場はFriedrich Durrenmattによる演劇「The Physicists」(https://snd.sk/en/inscenation/3174/fyzici)を上演しました。この演劇は科学倫理及び知的責任に対処する人間の能力の観点から見た科学及び核兵器の進歩に関するものです。この演劇は非常に著名なポーランド人監督Jan Klataが監督しました。Sata Foundationは、平和と博愛についてのメッセージや、科学を殺害のためではなく生活のために利用していくことを伝えるためのこの種の精力的な活動を喜んで支援しました。 (3)2019年11月のローマ教皇聖下長崎訪問 2019年7月、Sata Foundationの佐多会長はバチカンのベテラン牧師であるLuigi Bressan氏に会い、平和についてのSata Foundationの使命を説明し、2019年11月に広島と長崎への訪問を予定していたローマ教皇フランシスコ聖下の長崎浦上教会及びマリア像訪問を実現するよう依頼しました。
注釈 K. Kittichaisaree https://udayton.edu/imri/mary/u/urakami-bombed-mary-statue.php https://www.atlasobscura.com/places/head-of-the-virgin-mary このウィンドウを閉じる |