Sata Foundation 2023年度年次報告

I. 他の財団への支援

(1) ウクライナ戦争犠牲者への支援

Sata Foundationは、2022年2月にロシア・ウクライナ戦争が始まってからウクライナで難民になった人々や住まいを失った人々の命を救う緊急支援を行うため、Medair for the Ukraine Emergency Response(Medairの対ウクライナ緊急支援)(https://www.medair.org)に2023年度も寄付を行いました。これは、2022年のSata FoundationによるMedairへの寄付の継続として行ったものです。


(2) ハマス/パレスチナ-イスラエル戦争の犠牲者への寄付

Sata Foundationは、人道支援NGOのAlliance for Middle East Peace(中東和平のための同盟)(ALLMEP – https://www.allmep.org/)に寄付を行いました。このNGOは、パレスチナ人とイスラエル人による平和構築を目指す団体の最大かつ最速のペースで拡大するネットワークであり、その中立性と優れた取組みにより、Time誌から好意的な推奨を受けています。この寄付は、2023年10月7日にハマス/パレスチナとイスラエルの間で戦争が始まってからの人道危機を和らげる目的で行ったものです。


II. 長崎のマリア像と世界平和

2023年平和祈念自転車レース

2005年以来、Sata Foundationはフランスで開催される「平和祈念」自転車レースを後援しています。このレースは、広島および長崎への原爆投下(1945年8月6日および9日)を追悼し、核兵器の使用によって引き起こされる人的被害に加え、科学的知識が破壊兵器としてではなく人の健康や福祉のために確実に用いられる必要があるということについて、世の中の認識を促すことを目的に開催されています。
2022年7月30日のレースでは4つの異なるコースに462名のサイクリストがエントリーしました。この日集まった寄付金はSata Foundationの慈善活動支援に活用されます。
2023年7月29日のレースでは、4つの異なるコースに362名のサイクリストがエントリーしました。このイベントで集まった寄付金は、Sata Foundationの慈善活動支援に活用されます。



III. 世界平和の支持

Sata Foundationの使命の一つである「あらゆる文化、宗教、信条を持つ人々の間で、平和の価値と普遍的に認められた人権の尊重に対する理解を深める」ことを目的として、3,000ポンド(3,407スイスフラン)が授与されるSata Foundation、オックスフォード大学、国際司法裁判所(ICJ)による年次フェローシップ賞が2023年3月に創設されました。この賞は、国際司法裁判所により1年間実地研修を受けるよう選抜されたオックスフォード大学の候補生に対し、オランダ、ハーグでの生活費を支援するためのものです。詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.law.ox.ac.uk/sata-foundation-oxford-icj-fellowship-award

ララ・イブラヒムさんは、Sata Foundationが支援するオックスフォードICJフェローシップ賞の最初の授賞者に選ばれました。オックスフォード大学法学部の博士課程で学び、気候変動を背景状況とした国民国家の領土外における人権上の義務について研究しています。2022年にオックスフォード大学において、法学位で修士に相当する市民法学士(BCL)を修了し、国際人権法:理論、実践および批評、国際環境法、国際海洋法、比較的人権の科目において優等学位を授与されました。シェフィールド大学で法学士(LL.B.)の学位を修了し、同学の中で最高の学位成績を収めたことにより、ヴォーン・ベヴァン記念賞も受賞しています。
この選抜は、非常に興味深い結果でした。ララさんはイギリス生まれのイスラム教徒で、普段は英国に居住し、かつ近年のオックスフォード大学の博士課程では少数となっている黒人および少数民族グループに与えられる全額支給奨学金を受けています。



(署名K. Kittichaisaree)
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(クリアンサック・キッチャイサレー教授)
Sata Foundation事務局長
2024年5月30日




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